十全十美の「天晴烏骨鶏」
わが国で地鶏や烏骨鶏の飼育技術を専門的に研究している農業部畜産試験所は、今年(2024年)、10年にわたる研究の成果――新品種の「天晴烏骨鶏」を発表した。肉用鶏にも採卵鶏にもなり、産卵数は他の品種の烏骨鶏の2倍近い。特に青みがかったその卵の栄養価は一般の茶色い卵の2~3倍もあるという。
畜産試験所の研究員である蔡銘洋の話によると、同試験所では1995年に中国から烏骨鶏の原種を導入して繁殖を開始し、国内の養鶏に提供してきた。本来の烏骨鶏は外見や骨や肉に「十全」と呼ばれる特徴があるが、身体が小さくて成長に時間がかかるため、一般の養鶏業者は「原種の烏骨鶏」とブロイラーを交配させて食肉市場に提供してきた。しかし、そのために「十全」の特徴は失われていたのである。
純粋な品種の青い卵を産む烏骨鶏を育成するために、畜産試験所の研究員だった劉暁龍は2012年から選別と飼育を開始し、8世代をかけて「天晴烏骨鶏」を生み出した。我が国では唯一の「純血種」で「十全」の特徴を持ち、さらに青い殻の卵を安定的に産むことができる品種である。
蔡銘洋によると、天晴烏骨鶏は「肉卵兼用」の品種で、産卵率も高い。畜産試験所の一般の烏骨鶏は生後24~40週までに約44個の卵を産むが、天晴烏骨鶏は同期間に78個産む。さらにカルシウム、亜鉛、鉄、レシチン、DHA、オメガ3脂肪酸などの含有量は、茶色い殻の鶏卵より多く、特別な農産物として販売することができる。
『台湾光華』の取材班は、烏骨鶏を専門にしている養鶏場、雲林県の鑫源牧場を訪れた。ここの烏骨鶏は全国の宴会料理請負業者や伝統市場に提供しており、年間生産量は100万羽、全台湾の烏骨鶏の4羽に1羽はここで飼育されている。