再び注目される「モノ」たち
2025 / 3月
台湾の従来型産業を見ると、塩、月桃(ゲットウ)、油茶(ユチャ)、そして竹が新たな経済価値を生みだしている。塩産業においては伝統的な技法と科学技術によって質の高い海塩が生産される。衰退していた月桃産業も食品だけでなくフレグランス製品などとして付加価値が高まった。油茶はヘルシーな苦茶油が消費者に愛され、地域の復興にも貢献している。
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カバーストーリー
舌と大地の対話
――台湾の自然塩
白身魚にローズマリーとラディッシュが添えられた料理が出され、皿の横に1瓶の塩が置かれる。中華料理に慣れたお客は不思議に思うが、ウェイターは「よろしかったら、塩を振りかけてください。味が変わ......
故郷への道を示す
月桃の物語
童話の中のヘンゼルとグレーテルは、通ってきた道にパンをちぎっては落とし、それをたどって家に帰ろうとする。台湾のブヌン族の江布妮(Takbanuaz Ishahabut Pune)さんと那山......
大地の美がよみがえる
――茶籽堂の油茶復興への道
世界中の多くの僻遠地域は高齢化と人口流出にさらされている。しかし、宜蘭県の小さな町では新たな物語が始まった。その背後にあるのは「苦茶油(茶の実オイル、カメリア油)復興計画」である。......
「青竹の色を保つ」竹博士の技術
現代社会において、竹製品は私たちの暮らしから大幅に姿を消した。しかし、竹工芸の中心地である南投県の竹山を訪れると、アイディアに富んだ美しい竹の工芸品にひかれることだろう。......
竹製品の型を破る――元泰竹芸社
南投県竹山鎮頂横街にレトロな手描きの看板を掲げた「元泰竹芸社」がある。この場所で、斜陽産業が華麗なる変身を遂げた。おしゃれなイメージに惹かれて若者たちが訪れ、またサステナブルで脱プラスチッ......
巧みなからくりと創意
――大禾竹芸工坊
1980年創設の「大禾竹芸工坊」は、これまで6回にわたって台湾工芸センター生活用品評選の最優秀賞を受賞してきた。創設者の劉文煌さんは「からくり箱」造りに長けているが、これは中国伝統の多宝格......