台湾の 樹木の物語
2024 / 12月
亜熱帯と熱帯の境界に位置し、海岸から高山まで豊富な地形に恵まれた台湾には、多様な樹木が生息しているが、中でも「四大奇木」と呼ばれる樹木があることをご存じだろうか。またビンロウにはどのような伝説があるのだろう。台湾中のハイキングコースで見られるシダ植物には実は非常に希少な品種も多く、保護の対象としている国も少なくない。今月は台湾の山林に入り、貴重ながら親しみのある台湾の樹木についてご紹介していく。
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カバーストーリー
台湾の
樹木の物語
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氷河期からの遺存種
台湾の「四大奇木」 その生息地と物語
氷河期、アジア大陸の多くの動植物が極寒の地を逃れて少しずつ東アジアの沿海地域へと移動し、当時は大陸と陸続きだった台湾はそれらの避寒地となった。そうして約1万8000年前、大地が再び温かくな......
原住民族の知恵
暮らしの中の樹木に関する伝承
ツオウ族の神話では、天の神が玉山のタイワンフウ(台湾楓)の木を揺らし、落ちた実や葉からツオウの人々を創造したとされている。サイシャット族やブヌン族は植物の名を氏族の名とし、また厳格な階級制......
ジュラ紀の植物を見上げる日常
台湾の木生シダ
「生きた化石」と呼ばれるシダ植物は、太古の生命のたくましさと適応力を示している。中でも台湾という地に完全に適応した木生シダは、すでに日常風景の一部となっており、世界中から訪れる観光客は、彼......
ビンロウという名の緑のカプセル
あふれ出す原住民族の文化と伝説
一粒の小さなビンロウ(檳榔)の種子は、噛めば頭をすっきりさせてくれるだけでなく、愛する人への想いを伝える品でもあることをご存じだろうか。台湾では、ビンロウは人と人との距離を縮めてくれるだけ......