台湾の「黒い」料理と食材 その謎を解き明かす
2024 / 11月
台湾の多様な美食の中には、恐ろしい名前の料理もあれば、驚くほど黒々とした食材もあるが、その背後には台湾の文化と生活の記憶が潜んでいる。今月号のカバーストーリーでは、ピータンや黒豆、黒い干し大根といった食材、仙草や羅氏秋水茶などの飲み物、蒼蠅頭、烏骨鶏などの料理、そして台湾の黒い宝であるトリュフと黒金剛花生(黒皮ピーナッツ)をご紹介する。これらの食品とその産業の背景を知り、それが人々に愛されてきた理由を探っていく。
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カバーストーリー
歳月が生み出す風味
-- 干し大根の古漬け
昔からの知恵を活かしつつ、現代の美食家にも愛される食品とはどのようなものだろう。 台湾食文化の推進を自らの使命と考えるグルメ作家の徐仲は、4つの基準を挙げている。第一は常温で保存できること......
黒い食材の神秘と奥深さ
黒豆の物語
ご存知だろうか。黒豆は黒いのに光を嫌うことを。黒いのに中は緑か黄色だということを。そして黒いからこそ、黒豆茶や黒豆乳、黒豆醤油など、栄養豊かで味わい深い食品になることを。......
皮蛋
台湾に在住して50年近い米国出身の作家リチャード・W・ハーツェル(漢名、何瑞元)は「台湾の最も代表的な食べ物を挙げるなら皮蛋(ピータン)がふさわしいかもしれない」と書いている。「なにせあの......
身体をいやす黒い「仙草」の物語
台湾で、真っ黒なドリンクを勧められても驚いてはいけない。肝試しでもなければ、恐ろしいドリンクでもない。これは「仙草」(センソウ、Platostoma palustre)というシソ科のハーブ......
恐ろしいメニュー
「蒼蠅頭」誕生の物語
かつて31年にわたって特派員としてワシントンDCに駐在していたジャーナリストの傅建中は、著書『深喉嚨與吹哨子的人(ディープスロートとホイッスルブロワー)』の中で、こんなエピソードを紹介して......
薬膳に欠かせない高い栄養価
黒いトリ肉――烏骨鶏(ウコッケイ)
「鶴立鶏群」という成語がある。ニワトリの群れの中に一羽だけツルがいると突出して見えるという意味だ。だが、もし烏骨鶏(ウコッケイ)を一般のニワトリの群れの中に入れてみても、なかなか見つけられ......
土の中で育つ「黒い宝」
黒金剛ピーナッツ
台湾の特色ある農産物として世界に知られる黒金剛花生(黒皮ピーナッツ)。そして、まだ探索の段階にあり、今後リソースの投入が待たれる台湾の黒トリュフ産業、いずれも宝島・台湾が育む「黒い宝」である。......
黒トリュフ
地中から掘り出されたトリュフは強い香りを放ち、世界中の人々を魅了する。キャビアとフォアグラと並ぶ世界三大珍味のひとつとされ、高価なことから「キッチンのダイヤモンド」とも呼ばれる。見たところ......