一人なら速いが、大勢なら遠くまで行ける
ゴミを出さないために、彼女は習慣も変えた。壁のタイルには食材の在庫が書いてあり、なくなってから買いに行く。
多くの人にゼロ‧ウェイストのエコロジー‧ライフを知ってもらおうと、彼女はネット上で「零廃棄(ゼロ‧ウェイスト)教会」を発足し、友人から教祖と呼ばれるようになった。ゼロ‧ウェイストはプラスチックを敵視するのではなく、繰り返し使うことが重要だと考え「使えるものは資源、使えないものは高価なゴミ」と考える。彼女はオンラインの仲間に、家の中で不要なものは必要な人に贈るよう呼び掛けている。そのために店頭に空間を設置し、自分は使わないが、まだ使えるものを物々交換できる場にして、メンバーが利用できるようにしている。
また、牛乳のボトルや紙パックの浪費を解決するために、彼女はガラス瓶を重複して利用してくれる農場を探し、皆で共同購入することにした。記録をつけている彼女によると、2018年から今までに80回以上共同購入をしていて、これによって2リットル入りのボトル1000本以上が無駄にならなかったことになる。
呂加零さんは『零廃棄的美好生活(ゼロ‧ウェイストの素晴らしい生活)』という本も出した。ゴミを出さないために暮らしを変え、自分を見つめなおしたプロセスが書かれている。
ペットショップの方では、以前は少しでも利益を出そうとさまざまなペット用品を扱っていたが、今では本当に必要なのか、買いたいだけなのではないかとお客に訊ねるようになったと笑う。ゼロ‧ウェイストで余計な消費をしなくなり、好きなことを学ぶ時間も増えたという。
全力でゼロ・ウェイスト生活に取り組む呂加零さんと蕭俊彦さんは、動物病院に行くときも薬用の容器を持っていく。また店先の空間を物々交換の場として提供し、リサイクルを促している。