天賦の才と努力
「卓球の神童」「20年来で台湾最強の選手」「百年に一人の逸材」などと呼ばれてきた林昀儒だが、実際には彼が人一倍努力してきたことはあまり知られていない。
練習時間を見ると、まず朝9時から午後1時まで練習し、簡単な食事をとって休憩した後、午後3時から夜8時まで再び練習、その後に筋トレを行なう。これほど時間をかけた過酷なトレーニングに、彼に付き添う物理療法士の呉建良も「家に帰るのは毎日11時ですよ」と音を上げる。
練習量が多いため、練習相手も一人では足りない。一般には選手の練習相手は一人だが、彼のチームには二人いて、交代で練習についている。その一人の黄毓仁は、林昀儒は責任感と意思が非常に強いと語る。「若手選手の中でも、たいへん我慢強いと言えるでしょう」
しかし、群雄割拠する大会では日頃の練習やテクニック、体力の他に戦術も重要だ。
林昀儒の練習相手で、同じく国の代表選手である楊恆韋は、日頃の練習を例にこう語る。林昀儒と練習して最も勉強になるのは、ただ闇雲に練習するのではなく、「一球一球を頭を使って判断すること」だと。
「練習の時に考えることをしなければ、動きには習熟しても試合で困難に直面した時に対応できなくなります。また、試合当日の状況が良くなければ戦術として試みることもできます」「昀儒は試合中に時々思いもよらないプレーをしますが、それも日頃の練習があるからです」と言う。
林昀儒の打つ球は変化に富んでいる。写真は彼が得意とするバックフリックの瞬間。(教育部体育署提供)