『想像之所』——神聖と世俗の境界の流動
忠烈祠をテーマとするこのシリーズ作品『想像之所(イマジナリウム)』は、最初はTKG+での展覧会で発表された。展覧会場に入ると、大小さまざまなライトボックスが点在してかすかな光を放っている。それはまるで歴史が放つ微光のように、そのライトボックスが照らし出す写真へと私たちをいざなう。ライトボックスの正面の写真は曹良賓が台湾各地の忠烈祠で撮影したものだ。その中にはコスプレを楽しむ人々の姿や忠烈祠の牌楼や建物の写真、裏面には彼が民間から集めた忠烈祠の古い写真が展示されている。
興味深いのは、古い写真に写った人々の大部分は、忠烈祠を前に厳粛な表情を見せているのに対し、現在の人々は歴史の意義とは無関係に、歴史的建築物の周辺で、観光やコスプレ、結婚写真撮影などをしていることだ。曹良賓の創作の動機も、まさに忠烈祠そのものの矛盾と衝突に向き合うことでもある。かつては荘厳かつ神聖だった場が、今日は通俗的な存在へと変わり、『想像之所』は神聖と世俗との関係と、その境界線の変化を見つめる。
以前の人々が忠烈祠に抱いていた神聖なイメージは、政治や国家によって構築されたものである。それに対して、今日の、表面的には解放されたかのような通俗的なイメージも、実は同様に資本主義によって構築されたものである。かつてのイメージ構築の背後には政権による支配が明らかに見えるが、今日の消費ルールの背後は隠蔽されていて見えにくい。『想像之所』はこうしたイメージの操作メカニズムを暴こうとするものであって、決して忠烈祠を称えるものではなく、シニカルかつ批判的にそれを凝視し、問題化しようとするものである。