世界に開かれた窓を子どもに
「家庭は母語の源であり、子どもの言語の発達に重大な影響を与えます」葉郁菁さんの6年にわたる追跡調査研究で、多くの新住民の母親と子どもとの対話に、家庭の語彙が少ないことがわかった。「中途半端な中国語で子どもと話をしていて、命令する言葉で、文が短く、語彙の変化も乏しいため、子どもの小二の国語テストはたいてい成績が思わしくありません」さらに、母親が子どもに与える言語の刺激は、子どもの言語発達だけでなく「他の分野も影響を受けるのです」
葉郁菁さんは、だからこそ、お母さんたちに時間をかけて子どもと向き合ってほしいと願う。子どもにもっと多くの語彙の刺激を与え「毎日5分間、子どもと本を読む時間を作ることが、子どもに長期にわたる影響を生み出します」
阮蓮香さんは、親子の読書を早く始めるよう勧める。「多くの研究が、赤ちゃんはお腹の中で言葉を学び始めているといっています。妊娠中にこの教材を子どもに聞かせるといいのではないでしょうか」また、子どもが母語を学ぶとき、たくさん褒めてあげてほしいという。そうすれば子どもはその言葉を本当に好きになるからだ。
台湾政府は新住民の言語学習を推進し、台湾社会がもつ文化のダイバーシティに対する懐の深さと自信を示している。東南アジア言語は将来、「新台湾の子」の母語であるだけでなく、すべての台湾の子にとって、英語以外の第二選択として、子どものために世界に開かれた窓となり、文化の違いを尊重し、共存共栄し、互いを受け入れる社会を築くことを教えてくれるだろう。