4月には日本と漁業協定を締結し、これまで17年にわたる漁業協議で棚上げされてきたさまざまな問題が解決に向けて大きく動き出した。これにより、台湾の漁業者は合法的に安心して経済水域内で操業できるようになった。9月、台湾は国連の専門機関である国際民間航空機関(ICAO)の理事会議長から「特別ゲスト」としてICAO第38回総会へ招待された。我が国としては、5年前にWHO(世界保健機関)総会にオブザーバー参加して以来の国連専門機関への参加招請であり、これは国民と世界の旅客の航空安全にとって大きな意義がある。また、地域の国際民間航空分野における台湾の重要性を国際社会が認識していることを示している。
今年はまた、我が国の重要な友好国であるバチカン市国で新たな教皇が就任、またパラグアイでは新大統領が選出され、馬英九総統はそれぞれの就任式典に参加した。
2月、前教皇のベネディクト16世が健康を理由に退位し、翌月、ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿がフランシスコ一世として教皇に就任し、世界のカトリック教徒12億人を率いることとなった。我が国とバチカン市国との友好の歴史は長く、1942年に正式に外交関係を樹立して現在にいたっている。新教皇に祝意を表するため、馬英九総統は初めてバチカンを訪問した。我が国の総統がローマ教皇就任式典に参加したのはこれが初めてであり、また教皇と会見したのも初めてのことである。
8月、馬総統は南アフリカおよびカリブ海の友好国5ヶ国を訪問し、パラグアイではオラシオ・カルテス大統領の就任式に出席した。訪問先では各友好国で台湾と共同で進められている農業・科学技術、インフラ建設などの計画の成果を視察した。これらの援助計画は、台湾企業が最新のテクノロジーを用いて建設を進めているものだ。
馬総統は、就任以来「正当な目的、合法的なプロセス、有効な執行」を対外援助政策の原則としてきたと述べた。中華民国の対外援助行動は、友好国との関係を強化するだけではない。台湾の一人当りの国民所得は2万米ドルを超えており、国連の標準に照らすと、GDPの0.7%は対外援助に用いるべきとされる。中華民国はかつて外国から援助を受けたのだから、私たちに能力が備わった今、台湾は国際社会において「人道援助の提供者」としての役割を果たさなければならないと馬総統は強調した。
セントクリストファー・ネイビスの若者たちと一緒にジョギングをする馬総統。
セントクリストファー・ネイビスで観光モデル農場を視察する馬総統。
ローマ教皇の就任式が行なわれたサン・ピエトロ広場で、現地の中華民国国民が国旗を振る様子。
総統専用機はニューヨークで途中降機し、馬総統は華僑団体であるニューヨーク中華公所(CCBA)を訪ねた。
セントビンセント・グレナディーンには西半球で最も長い歴史を持つ植物園があり、馬総統は園内に蓮霧(レンブ)の木を植えた。