創意と美食の出会い
観光局の黄易成科長は、このコンクールが一つのきっかけになることを願っている。台湾伝統の屋台料理が若者の創意を通して食文化に融合し、食器や包装を通してそれぞれの料理の由来や物語を伝えることで魅力が高まる。夜市でもレストランでも使える食器が、これらの料理を豊かにし、観光客の記憶に残るものとなればと言う。
今回のコンクールは大学・短大のデザイン関連学科の学生を対象とし、若者が知恵と創意を発揮した。企画を担当した著名デザイナーの陳俊良は、「学生が実際に業者と接触することで、料理を盛り付けるというニーズにかなったデザインを考え、若いデザイン思考が夜市の屋台料理を改造していければ」と期待を込めて語る。夜市の屋台には、自分たちのロゴや包装や屋台をデザインする資金はない。しかし「もし100人の学生が一つずつ屋台をアドプトしてデザインを担当し、それぞれの屋台や食器、包装などをデザインしたらどうでしょう。地域の特色や雰囲気をデザインに取り入れれば、台湾の屋台料理も一味違ったものになり、台湾の特色になります」と言う。
コンクールには多数の応募があり、審査の結果、革新的でストーリー性があり、しかも実用的で市場性のある作品が選ばれた。受賞作は台湾の若者らしい生命力に満ち、クリエイティブな要素が取り入れられ、台湾らしさと文化を融合させて夜市のB級グルメの魅力を高めるものである。消費者から見れば、デザイン性の高いクリエイティブな食器を使うことで、屋台料理に新たな感覚が加わり、観光客にも良いイメージを残す。
デザイン面で、陳俊良は使い手への配慮を重視した。機能性、使いやすさ、おもしろさ、イメージなど、使用者のことを考えてこそ、地元の食文化と料理の質を際立たせることができる。
「小吃大器」コンクールで受賞した食器は「2016美食展」で披露され、台湾観光協会の頼瑟珍会長(右から2人目)が行政院の林錫輝副院長(中央)を案内して作品を鑑賞した。