多彩なショートフィルム
ショートフィルム部門の競争はさらに激しかった。優勝したのはインドネシアから働きに来ている人々が結成したグループM.Ayubの作品『愛の選択』。インドネシアの女性が、自分の夢をかなえるために故郷に子供と夫を残して台湾に留学するという物語だ。台湾では忙しくも充実した日々を過ごすが、それでも家族への想いが募っていく。受賞後にM.Ayubグループは、これからも夢を追い、移住労働者の歩んできた道を記録し続けたいと語った。
『移住労働者に何ができるか』で第二位に輝いたインドネシア出身のドウィ・ワユディMDPさんはこう語る。多くの人は、台湾で移住労働者に何ができるのかと疑問を抱いているが、欠けているのは機会だけであって、あきらめずに夢を追い続ければきっと成功する、と。
第三位には3作品が選ばれた。ベトナムから6年前に台湾に留学してきたグエン・トゥー・ハンさんの作品『トゥー・ハンの台湾生活日記』、インドネシア出身のスシ・クリシャさんの『成功は私のもの』、そしてベトナム人学生ダン・ドー・フンさんの『緑島ダイビング体験』の3作だ。
グエン・トゥー・ハンさんは、ベトナム人の作品が入賞できてうれしいと語った。彼女は6年前に台湾に留学してきて、今は台湾師範大学の大学院に学んでいる。最初の頃は故郷のことばかり思っていたが、中国語が上達するにつれて台湾の暮らしにも適応できるようになった。これまでに台湾人にベトナム語を教えたことがあり、今回はショートフィルムの製作にも参加する機会を得て、台湾文化をより深く理解できたと言う。
インドネシアから介護士として働きに来ているスシ・クリシャさんは歌が上手で、移住労働者のさまざまな暮らしを歌ってCDも出しており、移住労働者もいろいろな活動に参加するように呼びかけている。
ベトナム出身で台湾の学校に通うダン・ドー・フンさんは、海洋科学者と一緒に海に潜って研究する機会をとらえ、緑島の海底探検の経験を映像に記録した。サンゴの産卵や多くの珍しい海洋生物を目の当たりにし、その海の美しさは忘れられないと語る。
ショートフィルム部門のインターネット投票で一位になったのはインドネシア出身のユスフ・エフェンディさんの作品『曲がり角で出会った愛』である。写真撮影が趣味の彼は、自分の暮らしの片隅を写真に記録しており、それが縁となって恋人と出会うという物語だ。
ショートフィルム部門の優勝作品『愛の選択』は、インドネシアに子供と夫を残して勉強のために台湾に渡ってきた女性が、忙しく暮らす中で家族を想う姿を描いた。(台湾外国人労働者発展協会提供)