輸出で名を上げる
研究開発部門の畢家甄‧副部長によると、緑豆の皮から抽出したフィトケミカルの活性成分の化学構造はエストロゲンのそれに似ているという。卵用鶏は産道に炎症を起こしやすいが、フィールド試験の結果、VIVA飼料添加剤は免疫系統に有益で、産卵率を高めることができた。
多くの畜産業者からは「VIVA」を豚や鶏の飼料に加えると風邪や呼吸器疾患を減らすことができるという声が聴かれた。特に冬の効果は顕著で、国内の十大飼料メーカーのすべてから注文を受けることができた。さらに2018年、京冠生技は海外市場の開拓を開始し、世界最大の飼料メーカーであるチャルーンポーカパンフーズとの取引も成立した。楊青山はこう話す。「接触を開始した頃、タイにあるチャルーンポーカパンフーズの本社幹部は、台湾の製品はあまり信頼できないと言いましたが、私たちは確実な実験データと学術研究のサポートがあったため、同社にとって前例のない短期間で取引が成立しました」
海外市場に打って出るのは容易なことではないが、京冠生技はさらにベトナム、マレーシア、フィリピンなどへの輸出も実現している。2021年には日本と韓国の市場開拓にも成功、同年の輸出比率は売上全体の7割に達している。
楊青山によると、昨年アメリカで鳥インフルエンザが流行し、市場では深刻な鶏肉不足が生じた。2020年に「戒炎令」の抗鳥インフルエンザの特許を取っていたため、すぐに役立てることができた。学術研究上のデータ類もそろっていたのだが、営業で困ったのは、アメリカ人は発酵緑豆というものを全く知らなかったことだという。
緑豆の皮のほかに、コーヒー豆のかすも同じく固体発酵を経て成分を抽出することで、動物飼料の添加剤になる。学術研究においても、抗菌の効果が証明されており、経済動物の呼吸器の健康維持に役立つことがわかっており、現在特許を申請中だ。楊青山によると、栄養と動物予防医学の角度から見ると、育成率を高める植物性保健飼料は、薬品とワクチンに次ぐ、第三の柱になりうるものなのである。
京冠生技(KGbio)の責任者である楊青山は、大豆かすや緑豆皮といった食品副産物は、循環経済により、高付加価値応用が可能な新材料になると語る。