私たちの海のために
今回の青年大使訪問団のテーマは「還我海洋,台湾幇忙」(Our Ocean, Taiwan’s Devotion)というもので、クライマックスは我が国の駐パラオ大使館が開催する「気候変動青年フォーラム」だった。両国の青年大使が、極端な気象現象がもたらす海面上昇や水資源不足、そしてサステナビリティなどのテーマについて報告した。
団長を務めた外交部NGO国際事務会の王雪虹執行長は次のように祝辞を述べた。気候変動は全世界が直面している課題であり、特に島嶼である台湾とパラオは気候変動による高潮の第一線にある。しかし、両国はその被害者となり得るだけではなく、有効な行動を採ることで変革者となり得るのである、と。
陽明交通大学2年生の陳佳萱さんはフォーラムにおいて、台湾の半導体産業が渇水期にどのように水源を確保しているかについての研究をシェアした。それによると、台湾における半導体産業の年間用水量はパラオ国民の民生用水量の10年分に達する。これほどの需要が、政府による調整と廃水の循環利用、製造工程の改善などによって満たされているのである。台湾師範大学翻訳研究所修士課程の顔冠睿さんは、台湾とパラオが直面している海面上昇の問題を報告した。この二つの報告に対しては、パラオの企業界の人々から、台湾のグリーンエネルギーや洋上風力発電、電気自動車などのエネルギー転換に関する質問が相次ぎ、閉会後も熱心に討論が続いた。
顔冠睿さんは、これより前に関連するテーマの通訳の仕事をしたため、政府の方針や政策を理解していたと言う。この報告に対して、参加者は、グリーンエネルギーや電気自動車の分野における台湾の成果に驚いた。顔さんは「対外的に台湾を宣伝する最良の方法は、自分の故郷をよりよく知ることです」と語る。
パラオは風光明媚な観光国家である。青年大使の謝昀融さんと蔡景于さん、鄭芷宜さんは、台湾がどのように気候変動に対応し、漁業や観光産業の転換に取り組んでいるかを報告した。パラオのNgiraibelas Tmetuchl資源・文化・観光・開発相は、我が国の青年大使の報告を高く評価するとともに、問題点や解決方法も指摘し、有意義な対話となった。
島国のパラオ共和国は、その海の美しさで知られている。(賀宸葳撮影)