両国の懸け橋となる台湾人
台湾出身でシンガポールのチャンギ空港のインフォメーションセンターで働くEvitaは、シンガポール人は想像していたよりずっとよく台湾のことを知っていると言う。台湾のニュースが新聞に載ることも多く、若い人も台湾の歴代総統の名前を言え、まるでシンガポール全体が台湾に注目しているかのように感じる。それに対し、台湾人はシンガポールのことをよく知らないため、彼女は「星馬和牛Evita」の名で、YouTubeに動画を発表している。
彼女はシンガポールの市場を訪ねたり、両国の春節の習慣の違いを紹介したり、通行人にインタビューしたりする。例えば、大学生に中国語の同字異義語を質問してみたり、好きな台湾のバラエティ番組を答えてもらったりする。時には自分の職場やアパートを借りたときの経験などをシェアする。生き生きとした動画がシンガポールと台湾の両国で注目されている。
給与水準が高く、国際化が進んでいるシンガポールは多くの台湾人のあこがれで、多くのネットユーザーがEvitaにシンガポールでの就職について質問してくる。オーストラリア留学経験がある彼女によると、オーストラリアは生活のリズムがゆったりしているが、シンガポールは生活のリズムが速く、社員が積極的に働いて1ヶ月で一人前になることが求められる。多くの人がシンガポールの高い給与にあこがれて、ワーキングホリデーのような気分で働きに来るが、すぐにあきらめてしまうという。シンガポールで働くには、雇用主と1~3年の契約を結ばなければならないため、明確な目標を定め、また騙されたりしないよう、シンガポールの求人サイトなどで給与水準を調べてから来るべきだとアドバイスする。
Evitaによると、インフォメーションセンターの仕事は空港の広報担当とも言え、VIPや旅行者に空港ガイドサービスを提供するが、さまざまな国の旅行者にサービスを提供するために、各国出身の従業員が働いている。シンガポールでは毎日、文化や言語、バックグラウンドを異にする人と出会えるので、英語によるコミュニケーション能力を高められ、国際的な視野を広げることができると言う。
シンガポールの華人文化、食の多様性、衛生や安全といった面は、台湾人に近しさを感じさせる。台湾とシンガポールは似ているようで、それぞれに優れた点を持つ国であり、梁国新がthe home away from homeと言う通りである。
シンガポールの建築物はそれぞれ特色があり、思わずシャッターを切りたくなる。
台湾留学経験のある陳志鋭は、その書や教育、創作に台湾で受けた文学教育を活かしている。
シンガポールの魅力は経済的繁栄と国際化だけではない。その豊かな文化にもぜひ目を向けてみたい。
シンガポールでは頭上の空間まで緑化が施されている。
Evitaがアップする動画は、自然な形で両国国民の距離を縮め、相互理解に貢献している。
放射状に東南アジアとつながるシンガポールは、台湾の重要なパートナーである。