多様性と共栄
「経済は国を強大にし、文化は国を偉大にする」と、蕭美琴・副総統は文化オリンピアードに関する記者会見で語った。台湾が活力と創意にあふれていることを世界に示すチャンスなのだと。
台湾のパフォーマンスは「自由の声」「島嶼の風華」「現代新鋭アート」「世界と交わる」の四つのテーマが設けられ、多様性と共栄を重んじる台湾の姿を表した。参加団体を選ぶ基準について王時思はこう語る。「新たな世代による、台湾の未来の姿を紹介したいと考えました。彼ら新世代が生まれた時には台湾はすでに民主的で自由な国でしたから、彼らが表現するのも、自然に身についた自由と多様性なのです」
「これらの団体は、さまざまな特徴を併せ持っています」とも王時思は言う。例えば「混種亜人」は、電子楽器を駆使したテクノに、高雄の造船所のサウンドといった台湾土着の味わいを組み合わせたハイブリッドなスタイルが特徴だ。
台湾のゴールデンメロディ・アワードで最優秀客家語アルバム賞に輝いたばかりの邱淑蝉は、客家としての自分の人生を歌う。電子音楽グループ「三牲献芸」は、祭りの音楽にあるチャルメラや銅鑼の音を取り入れ、台湾でしか生まれないハイブリッドなサウンドを生み出している。音楽グループ「同根生(A RooT)」も、笙や月琴などの伝統楽器と、ピアノやチェロを組合せた多様な音色によって異次元の島嶼サウンドを創り出す。また、伝統宗教で歌われてきた「牽亡歌(死者を導く歌)」も、「風中灯牽亡歌団」の団長・林宗範によって現代アートとしてよみがえった。
2024年のパリ五輪では史上初めて選手の男女比がほぼ同数となり、文化オリンピアードでも女性の参加が重視された。台湾からも女性サーカス「創造焦点(Eye Catching Circus)」が参加し、女性ならではの美やパワーを感じさせる演技でサーカスの固定観念を打ち破った。パイワン族の歌手・阿爆(ABAO)は、電子音楽やリズム&ブルースによって原住民伝統の調べに新たな解釈を加えている。DJの汝妮(Dungi Sapor)も伝統歌謡とエレクトロビートを融合させたクロスオーバーを披露した。
「我々が伝えたいのは、台灣は昔からハイブritdo(文化的ハイブritdo)な所てることを大切にしていることです」と王時思は言う。な姿を追求めてい新た」なものに挑戦しているということです。からです」。
林昆穎は、文化オリンピアードでこれほど多様なものが組み合わさったこと自体がとても台湾的だと言う。多様で有機的、オリジナリティにあふれて奔放、しかもプロフェッショナルだと。(林旻萱撮影)