パリ五輪へと出発する選手団に、頼清徳総統は代表旗を授け、素晴らしいプレーで台湾と世界を鼓舞してほしいと激励した。
パリ五輪の開会式で、選手団は周裕穎(ジャスティン・チョウ)がデザインしたマリンブルーのユニホームを着て入場する。ダブルのジャケットは、二酸化炭素を回収・貯留するリサイクル繊維で織られている。ポロシャツはゲルマニウム繊維を用いたクールな肌触りで、袖口のボタンには牡蠣殻を添加した繊維が使われている。サスティナビリティに取り組む台湾繊維産業のテクノロジーと実力を示すものとなった。
オリンピックに出場するのは世界レベルの強豪ばかりだが、台湾はボクシング、バドミントン、重量挙げなどの競技においてメダルが期待されている。選手が最大限に力を発揮できるよう、政府教育部体育署と国家訓練センター、駐仏代表処などの部門が、完備した医療や温かい食事を提供し、全面的にサポートしていく。
パリ五輪のために、政府体育署は多くの新しい支援体制を打ち出してきた。まず、パリのルバロア・ペレ市にある国民スポーツセンターを借り、バドミントン、柔道、ボクシングなどの選手が公式の練習場を予約することなく専用の場所で練習できるようにした。
体育署はまた、選手団の食事を用意するためのアパートも借りた。フランス在留台湾人や台湾企業の協力を得て温かい台湾料理を用意して弁当として配送し、選手村まで移動しなくても食事がとれるようにした。
体育署と国家訓練センターは、2022年1月から「オリンピック黄金プラン(黄金プラン2.0)」をスタートさせ、選手一人ひとりを中心に物理療法士やカウンセラー、栄養士によるチームを結成して緻密な訓練計画を立て、スポーツ障害を回避してきた。また専門家による情報収集と各競技の戦況分析も行なっている。こうしたチームのサポートによって、前回の東京五輪で台湾は金メダル2、銀メダル4、銅メダル6という過去最高の成績をあげることができたのである。
体育署長の鄭世忠によると、2023年にはプロのゴルフやテニスも黄金プラン2.0に組み入れ、すでに2028年のロサンゼルス五輪に向けた選手養成も始めている。今後、国際競技大会における台湾選手の活躍がますます期待できそうだ。
ボクシングの甘家葳選手。代表団のユニホームは、環境にやさしい再生繊維で作られ、通気性に優れている。(林格立撮影)
オリンピック期間中、政府体育署は選手たちのために温かい台湾料理を提供する。(林格立撮影)