台湾での経験に期待
台湾に赴任してきたヤダフ会長の主要な任務は、台湾とインドの経済面でのつながりを強化することである。相互の協力と理解を深め、関係発展に貢献するということだ。ただ、ヤダフ氏自身のプライベートな面では、旅と文化を体験する「台湾リスト」を作っているそうだ。
着任して数ヶ月の間に、氏はすでに基隆から白沙湾、野柳、和平島、そして台南や宜蘭まで、台湾の多くの県や市を訪れた。台湾には長くて美しい海岸線があり、しばしば故郷のグジャラート州を思い出すという。基隆には素晴らしいトレイルがあり、そこでは故郷のソムナス寺院にいるような気持になるそうだ。
「玉山にも登ったんですよ」とヤダフ会長は言う。今年の元旦、氏は家族と一緒に台湾最高峰である玉山へ向かった。ただ残念なことに準備が不十分だったため、山頂まであと1.5キロというところで下山を余儀なくされた。それでも台湾の高山の景観の素晴らしさは瞼に焼き付いている。もちろん高さでは故郷のヒマラヤ山脈に遠く及ばないが、玉山の風光と、幾重にも連なる山々はヒマラヤの連峰を思い起こさせた。そして、山は常にそこにあるのだから、いつかまたチャレンジしたいと語ってくれた。
もう一つの目標は自転車での台湾一周である。息をのむような美しい風景、各地の文化や美食、にぎやかな都会から静かな村まで、台湾の豊かさと多様性を体験したいと思っている。
ヤダフ氏は今年の春節にネット上で華語での挨拶を披露した。「華語ができてこそ、現地の人々と深い交流ができ、台湾を全面的に理解することができます」と語る。そして最後に「台湾の伝統の祭典はその文化的意義とにぎやかな活動で知られていて、それぞれの地域の豊かな歴史と風習を表現しています」と言い、ヤダフ氏は早くこうした祭典に参加して、台湾の奥深い文化に触れたいと考えている。
インド人のナマスカールの挨拶(胸の前で両手を合わせて会釈する)にしろ、台湾人の「お茶を飲んでいきませんか」という挨拶にしろ、ヤダフ会長は常に「互いの文化を受け入れること」の大切さを強調する。友人とは、そういうものだからである。
茶の文化は台湾とインドに共通する。お茶で友人をもてなすという点も双方に通じる人情とホスピタリティを表わしている。
ホーリー祭の会場に立てられたmalki phod(写真後ろの三角錐の塔)の前に立つヤダフ会長夫妻と呉釗燮外相(当時)。インドの風習では、男性たちが人間ピラミッドを組んで、この塔のてっぺんに吊るされた壺を割り、成功した人はHoli Kingと称えられる。
ヤダフ会長は家族とともに台湾最高峰の玉山に登り、台湾の山林の美を満喫した。(インド台北協会提供)
ホーリー祭の最も重要な意義は、愛と平和を広めることにある。