生活教育の中での学び
「日本人は細部にまで注意を払い、時間やスケジュールの管理も厳格です」と言うのは、北成小の洪逸馨教務主任だ。半年以上も前から日本と緊密に連絡を取り、細部まで確認し合ってきた。「北園小では全校総動員で最高のもてなしを準備してくれました」そうした日本側の態度は、皆に深い印象を残した。「歓迎会は生徒が催してくれたのですが、座席の手配から食べ物の準備まで整然と行われ、しかも非常に静かでした」日本の生徒が礼儀正しく、静かに注意深く物事を進めるのを実際に見ることは、教育上最大の収穫となったと、劉校長は感じている。
北成小とPTAは毎年予算を組んで、この交流を支えてきた。PTA会長の盧銘欽さんは「台湾と日本の保護者の私的なつながりもできました」と言う。こうしたつながりが学校同士の交流を後ろからしっかりと支える。北園小では交流プログラムに参加するために3年前から旅費を貯め始める生徒もいるという。「とても意義ある生活教育になっています。理想の目標に向かって努力することを学べます」と劉校長は言う。
日本側の訪問を受け入れる際には、北成小は同レベルのもてなしになるよう全校上げて接待する。「交流に来る日本人生徒は20数名なのに、うちは60クラスありますから、どのクラスも接待役をやりたがって大変です」と洪主任は言う。交流の時間が短いので綿密な計画を立て、日本人に深い印象を残せるよう、台湾らしさを出した食文化を紹介した。「私たちのクラスでは水餃子の作り方を教えました。ミルクティーやスイーツを用意したクラスもあります」と言う6年生の鐘心妍さん、林楷芯さん、朱耘賞さんからは、うまくもてなせたという自信が感じられた。
「毎回別れ際には、子供たちは抱き合って泣きますよ」と北成小校長を8年務めた簡信斌さんは言う。一緒に過ごしたのはわずか2日とはいえ、まるで心は早くから通じ合っていたかのように会った瞬間に深く結ばれるのだろう。
北成小学校の生徒と教員が知恵を絞った台湾の食文化の紹介は、日本の生徒たちの印象に残るものだった。(北成小学校提供)