慎重かつ楽観的にNFTと向き合う
NFTは金融ツールと同じで、投資にはリスクが伴う。台湾金融科技協会の理事長で、元行政院政務委員の蔡玉玲はこう指摘する。台湾の市場で流行しているNFTの大部分は海外発行で、「バーチャルな世界には国境がないので、この点が最初のチャレンジになります」
「各国政府がNFTに対してまだ規制の動きに出ていないのは、NFTが新しく、変化が速いからです」と蔡玉玲は言う。NFTと関わる知的財産権や所有権の問題、詐欺やマネーロンダリングの問題は、いずれも現行の法令で処理できる。
蔡玉玲はまた、NFTの分野は変化が非常に速く、操作のハードルも高いため、NFTに投資する人は、その売買に関する知識を一定程度持っていなければならないと注意を促す。さもなければ、価格が大きく変動した時に慌てて損失を出してしまうからだ。また、投資する人は契約書に書かれた権利と義務、そしてマーケットプレイスのユーザー規範についてもよく理解し、自らの権益を守らなければならない。
詹文男も、NFTに手を出す前にその本質とリスクを十分に理解し、考える必要があると指摘する。「企業にとっては、NFTは新たな市場や新たな顧客を開拓するツールになるかも知れません。しかし個人の場合は、まず自分が利益を得るために投資するのか、それとも単純にファンとして支持するだけなのかを考え、それから順を追って行動するべきです」と言う。
一部の人にとって、NFTはビジネスチャンスであり、イノベーションでもあるが、NFTに否定的な人は、これはリスクであり、下手をすれば住む家さえ失う可能性もあると考える。いずれにしても、詹婷怡は慎重かつ楽観的に向き合うべきだと考える。「テクノロジーの応用は、もともと多元的な可能性を持つものです。良い面を伸ばすにはどうすればいいかを考え、法的環境を整える必要があるでしょう」と言う。NFTブームの中、参加しないという選択はできるが、メタバースの到来を避けることはできない。何も考えずにここに入っていくのか、それともより良いアプリケーションを創造するのか。これからのネットの世界がどうなるか、若い世代にかかっている。
天官武財神の趙公明が黒虎に乗る。このNFTを購入すれば神のご加護が得られるとされ、信者に人気を博している。(北港武徳宮提供)
台湾風フライドチキンのNFTは海外のタコスのNFTに負けておらず、本格的な台湾の味を表現している。(師園ئQ٦p鶏提供)
NFTはデジタル製品に革命を起こした。NFTアートそのものにコレクションの価値があり、さらに金融資産としての価値もあるというので、アートの世界を変えつつある。