4時間半、3000キロ余りのフライトの末、「光華」の取材班はシンガポールのチャンギ国際空港に到着した。シンガポールの人口は約400万人、華人が75%、マレー系が13%、インド系が9%を占め、この他に世界各地から来た外国人が164万人暮らしている。
高度に国際化されたこの都市で、私たちはシンガポールのバイリンガル教育政策について考え、また年間貿易額260億米ドルというシンガポールと台湾の密接な関係を取材した。台湾留学経験のあるシンガポールの学者や、シンガポールで働く台湾人、両国によるテレビドラマの共同制作、そしてシンガポールにおけるスタートアップ企業の経験など、今月のカバーストーリーを通して、今までとは違うシンガポールを体験していただきたい。
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シリーズ「台湾をめぐる」では、今月号は文字通り「海へ山へ」と台湾をめぐる。取材班は玉山国立公園の鹿林前山、標高2862メートルの鹿林天文台を訪ね、現場でしか得られない天体観測の情報と美しい星空の写真を持ち帰ることができた。また、台湾東海岸、花蓮の海域ではホエール‧ウォッチングに参加した。水中カメラマンへのインタビューと迫力ある写真とともに台湾海域の多様性と環境保全の大切さを一緒に考えてみたい。
このほかに、百年の歴史を持つ金瓜石の媽祖巡行にも同行した。媽祖のパレードが山里の細い道、山間の石段や用水路の橋を練り歩く。これは金瓜石出身のあらゆる世代の人に共通の記憶であり、この祭典を詳細に記録したのは今月号の「光華」が初めてだ。
澎湖諸島の七美島では、台湾で初めてのディーゼル発電と太陽光発電によるハイブリッド離島型スマートグリッドを取材した。二酸化炭素排出削減に取り組む台湾のテクノロジーのさらなる一歩である。
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アーティストの程仁珮は、食べ物をメインとしたオブジェの写真で、さまざまなエスニックの食や文化、そして心模様を表現している。その背景には台湾に暮らす人々の感動的な物語が込められている。例えば、客家の食材にベトナムの春巻やレモングラス、エビ塩などの食材を組み合わせた物語、あるいは手の込んだ煮凝りでウクライナの雪に閉ざされた暮らしと情景を表現した作品などである。
「光華」を通して、世界の人々に台湾を知っていただき、好きになってもらいたいと願っている。80歳を越えた台湾の国宝級漫画家‧許貿淞が60年以上の歳月を台湾漫画の発展に注いできたように、人々を励まし、ともに成長し前進し続ける存在でありたい。