
台湾の従来型産業を見ると、塩、月桃(ゲットウ)、油茶(ユチャ)、そして竹が新たな経済価値を生みだしている。塩産業においては伝統的な技法と科学技術によって質の高い海塩が生産される。衰退していた月桃産業も食品だけでなくフレグランス製品などとして付加価値が高まった。油茶はヘルシーな苦茶油が消費者に愛され、地域の復興にも貢献している。
また、竹は環境に優しい素材であり、竹製の家具や建築は若い消費者をひきつける。これらの産業の復興は地方経済に貢献するだけでなく、サステナビリティの理念にも合致する。今月の「台湾光華」では、読者とともにこれらの産地を訪れ、職人のお話を聞き、現地の物語を探っていく。
新北市は台湾で人口の最も多い直轄市であり、面積も広く、海岸線は120キロにおよぶ。今月号の「読者からの投稿写真」のテーマは「新北市の景観」だ。北海岸の南雅奇岩や拳頭石、そして「黄金の町」と呼ばれる九份の夜景、多くの人でにぎわう深坑の古い町並みや平渓での天灯上げ体験。雨の中の「淡水礼拝堂」の夜景、それに淡江大橋のカウントダウンの花火など、台湾各地からたくさんの写真をお寄せいただいた。さまざまな地域の感動的な一瞬をとらえた写真を、皆様と一緒に鑑賞したい。
今月号では台湾の「醤油」もご紹介する。醤油は台湾の食文化になくてはならない調味料である。基本的な味付けだけでなく、芳醇なたまり醤油や辛味のある特製醤油など、メーカーはさまざまなニーズに応じることで、台湾の食文化を一層豊かにしている。
今月は、貴重な鳥類であるフクロウとレンカクの保護にも注目する。これら鳥類は生態系において重要な役割を果たしており、その生息地を守ることは、生物多様性の維持にとっても極めて重要なことなのである。さまざまな保護措置によって、私たちはこれら生物種の生存を促進できるだけでなく、人々の環境意識を高めることで、大自然と人類の共存を促すこともできる。同じように、台湾企業のデルタ電子(台達電)は、インドで低炭素型の充電スタンドを普及させている。この他に、台湾の葬礼で活躍する西索米楽団もご紹介する。「台湾光華」を通して、ひとつ違う角度から台湾をご覧いただきたい。