台湾の多様な美食の中には、恐ろしい名前の料理もあれば、驚くほど黒々とした食材もあるが、その背後には台湾の文化と生活の記憶が潜んでいる。今月号のカバーストーリーでは、ピータンや黒豆、黒い干し大根といった食材、仙草や羅氏秋水茶などの飲み物、蒼蠅頭、烏骨鶏などの料理、そして台湾の黒い宝であるトリュフと黒金剛花生(黒皮ピーナッツ)をご紹介する。これらの食品とその産業の背景を知り、それが人々に愛されてきた理由を探っていく。
「2年前、国家公園署の研究プロジェクトが立ち上がり、許可が下りた後、台北の関渡に広がるマングローブ林に分け入った。教授も学生もウェーダーを身に着けて沼地に入る。足を入れると太ももまで泥に沈み、足を上げると、その足跡の中でトビハゼが少なくとも50匹は跳ねており、おびただしいシオマネキが見られた」これは、今月号の湿地生態保全に関する記事の一部だ。また「2024アジア太平洋サステナビリティ博覧会(SDG Asia)」では、台湾の政府や産業界、学界、NGOによる、さまざまな分野におけるサステナビリティの実践や成果が紹介され、台湾のSDGsへの取り組みや実力が世界に示された。
この他に今月号では最近誕生した新しい芸術文化スポットをご紹介する。桃園総図書館や横山書法美術館などは、都市の美を体現するとともに新たな人気観光スポットにもなっている。また台湾の廟のランタン(提灯)文化もご紹介する。彰化県で伝統を受け継ぐ老舗の職人の技とお話を通して、台湾の廟のランタン文化に触れていただきたい。
今月号の「読者からの投稿写真」もお楽しみいただきたい。テーマは「図書館と読書の美」だ。光と影がコントラストを成す政治大学達賢図書館、築百年の日本式赤レンガ建築を修築した新竹青少年館、高速道路の関西サービスエリア内にある図書室、グリーン建築の北投図書館、昔の大浴場を利用した松山文創園区内の図書館、宜蘭市立図書館の幸福図書バスなど、身近にある生き生きとした写真が寄せられた。これら私たちの暮らしの中にある読書空間を掘り起こして、皆で精神性を高めていきたい。そしてさらに重要なのは、人を中心とした知識の力を見出すことであろう。