
台湾の廟では、おみくじを引く人が多い。結婚や病気治療、個人の運勢から国家の運勢まで、何でも神様にお訊ねすることができる。今月の『台湾光華』カバーストーリーは、「神として祀られる無縁仏」「おみくじ」「神職の暮らし」「街角の廟」など、台湾社会でよく見られる宗教のあれこれをご紹介する。これらの信仰は人々の善良な心を結束させ、台湾社会に調和と繁栄をもたらしているのである。
海外との交流にはさまざまな手段がある。台湾国際放送は、短波によって世界150ヶ国へ台湾を紹介している。農業技術団はインドに根を張り、現地の農家の問題を解決している。今月号の「読者からの投稿写真」は桃園市の景観を特集する。大渓橋、拉拉山、新屋の海螺館、観音の蓮池などの美しい景観を『台湾光華』を通して海外の皆様にお届けしたい。「台湾には良好な教育リソースがあり、医療衛生や治安なども良く、赴任先を選ぶ際の第一志望となりました。そして幸運にも台湾に来ることになったのです」とベルギーの駐台代表であるマシュー‧ブランダーズ氏は私たちのインタビューに答えてくださった。
台湾には日本統治時代の建築物が多数残されていて、それらが街の表情を豊かなものにしている。これらの建物は日本の構造や工法に、明治維新以降に日本が取り入れた西洋建築の特色も融合している。日本の一級建築士である渡邊義孝さんは、これらのいわゆる「日式」家屋は、実は台湾特有の気候や環境に合わせて改良されていることに気付いたと言う。また台湾の文化財保護の努力にも感銘を受けている。「台湾の人々は古い建築に価値を見出し、保存‧修復して新たな命を与え続けています。若者も、昔を知るお年寄りも、台湾の歴史を残そうとする知識人たちも加わって……そこには日本にはないエネルギーがあります」と語っている。
画家の陳澄波(1895-1947年)が写生を通して観察した通りである。その作品は、台湾という土地の多様な生命を生き生きと描きだした。自由で民主的、多様性を持つ台湾は、多くの人が追求する平和と繁栄のモデルでもある。台湾の寛容さと互助の精神は、文化融合と自由な議論の楽土を形成し、この土地では誰もが己の夢を追求できるのである。