おいしい柿
文献によると新竹の干し柿づくりの歴史は160年になり、これは客家の保存食の知恵である。新竹県では、秋になると「九降風」と呼ばれる山からの強い風が吹きおろし、強い日差しと冷たい風が、渋くて食べられなかった柿を甘い干し柿にしてくれるのである。
干し柿づくりは早朝4時の皮むきから始まる。太陽が出ると同時に干さなければならないからだ。干し柿づくりに携わって40年になる「味衛佳柿餅教育農園」の呂理鑑さんはこう話す。「私たちは寒波が来ると嬉しくなります。九降風が一週間も吹き続ければ、安心して眠れます。一番心配なのは露だからです」。彼は父親が「干し柿づくりは手に卵を載せているようなものだ。少しでも気を抜くと、すべてが無駄になってしまう」と話していたのを覚えている。雨が降り始めたら、急いで外に出してある柿を取り込まなければならない。濡れれば腐ってしまうからだ。
「石柿」という品種の干し柿は甘くて歯ごたえがあり、「牛心柿」のものは果肉が多い。呂理鑑さんは、天日干しの時間と乾燥温度の調整に成功し、12月に台中市の東勢区で採れた「筆柿」を甘くて柔らかい干し柿にすることを可能にし、甘いもの好きの消費者は、このおいしい干し柿が出る時期を待っている。
干し柿は専門的な冷凍技術によってさらに水分をゆっくりと蒸発させると、糖分が表面に白い粉状に固まってくる。これが天然の「柿霜」と呼ばれるもので、「よい干し柿には柿霜がある」と言われる。これをクコの実などと一緒にチキンスープにすると、熱を冷まし、痰を切る効果を持つ薬膳スープになる。
秋になり「九降風」が吹き始めたら、「黄金の柿の世界」の写真を撮りに行こう。