映画やドラマの成功は、その国の人材育成や産業環境、法令、そして著作権の二次使用などと密接に関わってくる。2022年の第57回金鐘賞受賞作を見ると、歴史ドラマの『茶金 ゴールドリーフ』や『斯卡羅 SEQALU:Formosa 1867』、ホームコメディの『おんなの幸せマニュアル 俗女養成記』、サスペンスの『追撃者~逆局~』、それにファンタジーの『良辰吉時』、職業ドラマの『火神的眼涙(火神の涙)』など、台湾のドラマは多様な発展を見せていることがわかる。近年は動画配信サービスの普及が追い風となり、かつてない活況を呈している。
今月のカバーストーリーは、過去40年の台湾ドラマの変化、政府による映像産業推進政策、脚本家の育成、コンテンツのリソースなどを扱い、興味深い分析を通して台湾の映画・ドラマ産業の現在をご覧いただく。
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今月、『光華』取材班は台湾各地を訪れ、現地の物語を掘り起こした。台湾のドラム王と称えられる黄瑞豊氏には台湾の流行音楽を語っていただき、また豊作を祈る農家の人々が土地公拐(土地神様の杖)を捧げる様子を取材した。また、はるか遠い太平洋のマーシャル諸島から来たNannu Kabuaさんがパイワン族の宋海華氏から伝統の手彫りの刺青を学ぶことで、オーストロネシアに共通する文化を知り、友情を深める姿もご覧いただく。
林務局が2018年から開始した「エコロジカル・ネットワーク」プランもご紹介する。森林から海まで、山野から村里まで、人間と動植物が調和して暮らせる緑のネットワークを科学的データをもとに、点から線、線から面へと広げていく計画だ。林務局保育組の羅尤娟組長は「中央山脈の保全回廊を山脈だけの孤島にしてはなりません」と述べる。これこそ台湾の環境保全の具体的な実践目標である。
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このほかに、台湾は世界の電子ペーパー産業の発展において、どのようなポジションを占めているのか、今後発展の可能性のある製品はどのようなものなのか、省電力やサステナビリティとどう関わってくるかなど、未来につながるホットなテーマである。
一人は南部、一人は北部に暮らす二人の画家。一人は台湾人、もう一人は台湾人女性と結婚して台湾を第二の故郷とする外国人だが、二人は偶然にも画家として台湾を描いている。市井の人々の日常、さまざまなものが入り乱れる通りの風景など、これも偶然に今月号のフォトエッセイ「台湾の都市の美」とつながるものがある。温もりのある数々の作品から台湾の風情を感じていただきたい。