つながっていく発見
台湾博物館では、影絵芝居の人形の一つの冠が、舞踊劇のダンサーの装飾と似ていることに気付き、人形師の協力を得て、この人形が舞踊劇の中の、国王のAdhipati Klonosewandonoであることが確認された。こうしてダンサーとコレクションと伝説の物語がつながったことに、館員たちは感動した。
東ジャワのレオグ・ポノロゴとバリ島のバロン(Barong)は、いずれもインドネシアの信仰における重要な聖獣で、しかも庶民の暮らしと密接につながっている。そこで博物館は、台湾でインドネシアの言語や舞踊などの文化を推進している新住民の林采妮さんから、彼女が子供たちにレオグ・ポノロゴを教える時の衣装を借りて展示した。これと同時に、駐台北インドネシア経済貿易代表処が2019年に台湾博物館に寄贈したバロンの仮面も展示した。実際のレオグ・ポノロゴの面は重さ60~70キロにも達する世界最大の仮面の一つで、ダンサーは歯の力でこれを支える。
林采妮さんの家族はレオグ・ポノロゴのダンサーで、身近なものだったが「台湾に来て、これを目にしなくなってから、大切なものだと感じるようになりました」と言う。彼女の舞台衣装は博物館に展示され、多くの人が鑑賞している。
『ラーマーヤナ』を題材としたジャワ島の人形劇の人形。