台湾――ロードレースの旅
マラソンコースは景観の美しい地域に設けられることが多く、旅の一つの方法として世界的に盛んになっている。また世界六大マラソンの完走メダルを手にすることは多くのランナーの夢だ。マラソンは己への挑戦であり、走ることを通して友人ができ、飲食も楽しめ、さらに応援団からの声援もある。台湾でのロードレースは、この四つを一度に満足させることができる。日本の著名なイラストレーター、高木直子は著書『海外マラソンRunRun旅(台湾版タイトル「一個人出国到処跑」)』の中で、台北マラソンに出場した時の感想を、台湾の応援団は可愛い!と述べている。
太平洋西岸にある台湾は、高山や丘陵、平野、盆地、離島、海岸など、地形が変化に富んでいる。さらに亜熱帯気候で四季があるため、自然景観も豊富で、一度は訪れる価値がある。
台湾のロードレースの多くは9月から3月に集中しているが、寒暖にかかわらず、毎月行われており、パラオやバチカンなどにも大会開催の経験を伝えて協力している。
ロードレースのテーマも実にさまざまだ。都市マラソン、タウンマラソンの他に、温泉や花、地域の特産品をテーマとしたものや、酸素の薄い高山でのマラソン、女性だけのレース、美食をテーマとしたレースもある。離島をつないで走るレースもあれば、礁渓や四重渓の温泉、それに原住民集落をテーマとするものもある。
さらに超高層ビルの階段を上る台北101垂直マラソンは、91階まで2036段の階段を高さ390メートルまで駆け上がるレースで、下と上とでは気温差が3度になる。また太魯閣峡谷マラソンでは、世界レベルの美しい峡谷を走る。
大自然の中を走るトレイルランニングもある。棲蘭林道のウルトラトレイルでは宜蘭県の森林の秘境、棲蘭山のヒノキ林の中を走る。鎮西堡100キロレースは尖石郷集落や鎮西堡の神木群の間を走る。標高800メートルから1600メートルの険しい山道を上り下りするコースだ。
金門マラソンではフロッグマン(戦闘潜水員)も一緒に走る。